2009-01-01から1年間の記事一覧

ドゥルーズ=ガタリ:著 千のプラトー (引用文)

1947年11月28日 《いかにして器官なき身体を獲得するか》 とにかく、きみたちはそれを一つ(あるいはいくつか)もっている。 それはあらかじめ存在しているからでも、出来上がっているものとして与えられているからでもない、ーー見方によってはあらかじめ存…

差異と反復 ジル・ドゥルーズ:著

〈韻律[拍子、構成単位]-反復〉は、時間の規則的な分割であり、同一的な諸要素の等時的な回帰である。しかし、一定の持続は、〈強さアクセント〉によって規定されるのでなければ、また諸強度によって支配されるのでなければ、存在しない。 諸々のアクセン…

悦ばしき知識 著:F.ニーチェ 訳:信太正三 〈引用文2〉

八四 アポロの神は、最古の概念では、予見の神よりもはるか以上の存在だった。 祈祷の極まり文句が型通りに、しかもきちんとリズミカルに唱えられると、それは未来を拘束する。 だがしかし、その極まり文句は、それ自身リズムの神として運命の女神たちを拘束…

エロティシズム G.バタイユ:著 酒井健:訳 [引用文]

第八章 宗教的供犠からエロティシズムへ供犠と愛における肉体一般に供犠の行為とは、生と死を合体させること、死に生のほとばしりを与えること、生に死の重々しさ、目眩、幅広さを与えることなのである。 死に混ぜ合わされた生と言ってもよい。 逆にまた供犠…

悦ばしき知識 著:F.ニーチェ 訳:信太正三 〈引用文〉

序生 ー われわれにとってそれは、われわれが在るところの一切を、不断に光と炎に変えること、にほかならぬ ー われわれが出会うところのいっさいをそうすることだ、われわれはそれよりほかの手だてをまったく知らない。 p13もしわれわれ快癒者がいやしくも…

差異と反復 ジル・ドゥルーズ:著 

【概念】(広辞苑) 〜事物の本質をとらえる思考の形式。事物の本質的な特徴と、それらの連関が概念の内容(内包)。 概念は同一本質を持つ一定範囲の事物(外延)に適用されるから一般性をもつ。 たとえば人という概念の内包は人の人としての特徴(理性的特…

「ヨハン・ゼバスティアン・バッハ」 マルティン・ゲック:著 鳴海史生:訳

《平均律》の美学的意義普遍主義的思想は、ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツにおいて、最も輝かしい姿を獲得する。ライプニッツは、もっぱら機会論的・算術的に展開された従来の思考方法を脱却した。彼が,自分にとってはあたりまえのように「あ…

シューマンの歌曲をめぐって /フィッシャー・ディースカウ

「強烈なあてこすり、あの激しい絶望、崇高なもの、威厳あるものすべてのカリカチュア化」を繰り返し指摘している。p.52ただ、シューマンは、ハイネにおける非常に重要な要素であるエロティシズムだけはほとんど無視し、すでにテクストを選択する時点で、そ…

高橋悠治/シューマン

芸術運動と機関誌 一八三〇年シューマン自身も、雑誌編集と批評を書いていたために、ヨーロッパ音楽の動向を知り、ドイツのいなかに住みながら、国際的な視野をもつことができた。一八三〇年代にかれが作曲したピアノ曲の個性的な書法、幻想、構成のよわさと…

千のプラトー シューマンまとめ

10 強度になること、動物になること、知覚しえぬものになること……だからわれわれは、二つのプランを、二つの抽象的な極として対立させなければならない。たとえば、音の形態とその発展に基礎を置く西洋音楽の超越的組織プランに、速さと遅さ、運動と静止から…

Peter and Wendy 日本語訳共

Peter and Wendy CHAPTER 1PETER BREAKS THROUGHAll children, except one, grow up. They soon know that they will grow up, and the Wendy knew was this.One day when she was two years old she was playing in a garden, and she plucked another flow…

To the lighthouse / Virginia Woolf

'Yes of course, if it's fine tomorrow,' said Mrs. Ramsay. But you'll have to be up with the lark,' she added. To her son these wards conveyed an extraordinary joy, as if it were settled the expedition were bound to take place, and the wond…

アンチ・オイディプス 資本主義と分裂症 ドゥルーズ=ガタリ:著 宇野邦一:訳 (引用文)

第一章 欲望機械彼(レンツ)は自然を自然としてではなく、生産のプロセスとして生きる。もはや、ここには人間もなければ、自然もなく、ただ一方を他方の中で生産し、もろもろの機械を連結するプロセスだけがある。 p.17だから、すべては生産なのだ。ここに…

きっかけの音楽 高橋悠治:著 (引用文)

■グールドLDコレクションかれのバッハ像は、アメリカ東部のピューリタン的価値観をバッハに投影している。バッハが若き日の自己表現の放逸から晩年の禁欲に向かったというかれの見解は、音楽学の最近の成果によるバッハの作曲年代から見ても、根拠があるとは…

精神のフーガ 音楽の相のもとに 中村雄二郎:著 (引用文)■ドゥルーズ&ガタリ 

クレーは、1921年末から翌22年までワイマール・バウハウスにおいて、ユニークな「造形フォルム論」の講義をしており、そのなかでリズムの問題も大きく扱っている(『造形思考』では第�章第5節以降に所収)。彼は、リズムを「同時に三つの感覚で感じ取…

灯台へ ヴァージニア・ウルフ:著 (引用文)

第1部 窓 たとえば人の噂や音楽、歴史のことなど何か面白い話を皆でしていて盛り上がったときや、気持ちのいい晩だから話の続きは外でとなった時でさえ、チャールズ・タンズリーの困った点は、とにかく一度は話をひっくり返し、ほかの人を無視してでも自分…